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結婚したくない人たち

 生涯未婚率という言葉を聞いたことはあるでしょうか。生涯未婚率というのは、50歳を超えてまだ結婚経験がない人の人口比率です。まあ、50歳を超えて初婚を迎える人もいるでしょうから、そうした人から見ればちょっと失礼な区分かもしれません。それはともかく、この生涯未婚率は日本において、急速に増えてきています。この生涯未婚率の増加が顕著になったのは1990年のことで、ちょうどバブル経済の崩壊が表面化した時に当たります。バブル経済が崩壊したことで、一生景気のいい国で暮らしていけると信じていた人達の多くは裏切られたことになるのですが、結婚にバブル経済のような夢を抱いていた人たちの夢も消えました。当時は3高という、結婚するのであれば背が高く、高収入、高学歴という条件を備えた人でなければ、女性には選ばれないものだとされていました。こうした3高という人物像は、バブル崩壊とともに激減することになります。こうした女性たちは、自分が求める条件を満たす男性でなければ、自分は結婚しなくてもいいと考えたのかもしれません。バブル時代は女性もお給料が良く、将来の生活に不安を感じる事はなかったからです。
 さて、3高を例にとるまでもなく、やはり結婚したくない、結婚したいとは思えない人というのももちろん存在しています。昔であれば、特に女性であれば結婚せずに自力で生活していくのは困難だったということもあり、結婚したくなくとも、結婚「しなければいけない」人というのは存在していました。ですが今は女性の社会進出が進み、結婚しなくても自分でお金を稼ぎ、自分の生活を男性に頼ることなく維持していけるように変化しました。逆に男性の場合は、女性を食べさせていくことに意義を見出せない人が生まれます。自分で苦労して稼いだお金を、自分のために使いたい、そう考えるのは男性でも女性でももちろんいて当然なのです。そして、そんな自分のスタイル、考え方を貫くことができる時代になったのです。
 それはもちろん悪い事ではありませんが、自分の人生を選択できるようになったということは、結婚しなくても別にかまわない、むしろ結婚したくないとまで考える人が増える原因になっています。結婚適齢期の男女が、そうして結婚願望を薄めてしまったり、場合によってはなくしてしまったりと、その分、結婚したいと考える人の出会いの幅は狭まっていきます。自分がどんな結婚したいと考える人と出会っても、他に結婚を考えている相手がいるわけではないというのに見向きもされないこともあるでしょう。結婚したいと考えている人たちにとって、結婚したくない、結婚を特に希望しない人というのは厄介な存在であり、どこかうらやましい存在なのかもしれません。

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